■歯髄炎

歯の中の「歯髄」と呼ばれる場所が炎症を起こした状態です。痛みを伴い、歯の根の先に膿が溜まります。
主に、むし歯が進行して、徐々に歯の根の奥の方に細菌が感染すると起こります。他にも、歯の周囲に衝撃が加わる、化学物質によって炎症を起こすといった原因で歯髄の中に炎症が広がり、「歯髄炎」を引き起こします。

■歯髄壊死

歯に衝撃が加わり、放置しておくと知らないうちに歯が真っ黒になることがあります。発見が遅れ、何年も経ってから気が付く方もいます。歯の中に通っている神経や血管が切れ、歯髄が腐ってしまう状態を「歯髄壊死」といいます。放置しておくと、壊死した歯髄が膿を作り、噛んだときに違和感が出てきます。

■根尖性歯周炎

「歯髄炎」を放置しておくと、やがて「根尖性歯周炎」を引き起こします。歯の根までの炎症に留まらず、歯槽骨(歯を支えている骨)まで炎症が広がった状態です。過去に根管治療を行い、再感染した場合は、根尖性歯周炎のリスクも高くなります。
また、歯をぶつけるなどの衝撃により、歯の根を保護している歯根膜がダメージを受けると根尖性歯周炎になることがあります。

マイクロスコープ×ラバーダム防湿×根管治療の大きなメリット

当院では、目には見えない細菌を取り除くために、歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を活用しています。
また、根管治療は全ての患者にラバーダムを使用しており、「唾液」や「細菌」が侵入するのを防いで再感染リスクを下げています。

■マイクロスコープ

精密さが要求される根管治療こそマイクロスコープの使用が好ましいです。先進国であるアメリカでは、根管治療にはマイクロスコープが必須と言われているほど重要です。しかし取扱いには専門的な技術が必要であることから日本ではまだまだ普及率が低く、国内での導入率は10％以下ともいわれています。

メリット1. 重度のむし歯でも歯を残す治療ができる

歯の根の内部は1mm足らずと狭くて暗く、目には見えない治療部位です。マイクロスコープは歯の根の内部を明るく照らしながら見ることが可能です。重度なむし歯であろうと、細菌を的確に除去できるため歯を残すことが可能です。
また、クラウンやブリッジなどの被せ物をする場合は、マイクロスコープで形成しています。

メリット2. 根管内の細菌の除去をしっかりとできる

目には見えない細菌を的確に除去するためにも、マイクロスコープは欠かせません。視野を肉眼の最大20倍に視野を拡大して見ることが可能なため、細菌の取り残しがなくなり、再治療のリスクを大幅に減らすことにつながります。
また、ラバーダム防湿を導入することで、唾液に含まれる細菌が患部に入り込まないよう丁寧に処置しています。当院では、こうした先進技術を積極的に採用し、精密治療を実践しています。

メリット3. 治療時間の短縮にもつながり負担が少ない

従来の根管治療であれば、次に来院した際に、詰めておいた薬剤と綿の臭いや色などで、細菌の有無を判断しなくてはなりません。しかし、マイクロスコープがあれば、的確に細菌を取り除けるため、通院回数も少なく患者さまの負担も少なくて済みます。また、「電動リーマー」という歯の根の内部の感染した部分を削りとる専用の機器も完備しているため精密治療が行え、治療時間の短縮にもつながっています。